豚肉の部位は農林水産省が定めた「食肉小売品質基準」によって
「カタ」「カタロース」「ロース」「ヒレ」「バラ」「ソトモモ」「モモ」の7部位で表示するよう統一されています。
「カタ」「カタロース」「ロース」「ヒレ」「バラ」「ソトモモ」「モモ」の7部位で表示するよう統一されています。
- カタ
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北米名 : ピクニック
最も運動する部位なので肉のきめはやや粗く硬めで、肉色は他の部位に比べてやや濃いめです。 脂肪が多少あるため、薄切りや角切りにして長時間煮込むとよい味が出ます。
シチューやポークビーンズなどに向いています。
- カタロース
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北米名 : ボストンバット
赤身の中に脂肪が粗い網状に混ざり、きめはやや粗く硬めですが、コクのある濃厚な味です。
カレーや焼き豚、生姜焼きなどに適しています。
- ロース
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北米名 : ロイン
きめが細かく、適度に脂肪がのったとヒレと並ぶ最上の部位です。
外縁の脂肪にうまみがあるのであまり脂肪を取りすぎないように注意して下さい。 トンカツやすき焼き、ブロックでローストポークや焼き豚など料理用途が広い部位です。 - ヒレ
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北米名 : テンダーロイン
豚肉の中で最もきめが細かく、柔らかい最上の部位です。
脂肪が少なくビタミンB1を多く含み低エネルギー。
コクに欠けるので、豚カツやステーキなど油を使った料理向きです。
加熱しすぎるとパサつくので注意して下さい。
- バラ
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北米名 : ベリー
濃厚な味の部位で、赤身と脂肪が交互に3層くらいになっています。 骨付きのものはスペアリブと呼ばれ、骨周辺は特によい味です。
角切りにしてシチューや角煮などに、スライスして炒め物、煮物に適しています。 - ソトモモ
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北米名 : ハム
お尻に近い部位で、牛肉でいう「ランプ」と「ソトモモ」の2つの部位にあたります。
ほとんどの豚肉料理に向きますが、肉色の濃い目の部分はきめが粗いのでスライスしたり、煮込み用に利用するとよいです。
- モモ
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北米名 : ハム
脂肪が少なく、きめが細かい部位でヒレに次いでビタミンB1が多く含まれています。
ローストポークやステーキ、焼き豚など肉そのものの味を楽しむ料理に向いています。 この部分をハムにしたのがボンレスハムです。
- カシラニク (頭肉)
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豚のこめかみと頬肉の部分で、ゼラチン質が多いのが特徴です。
串焼きや焼肉の材料として用いられます。 - タン (舌)
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やや硬めな部位ですが、じっくりと調理すれば食べやすくなり、淡泊な味が楽しめます。
根本のほうは柔らかいので薄く切って焼肉などにも用いられます。 - ハツ (心臓)
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肉厚の緻密な筋繊維からなり、歯ごたえのいい食感が特徴です。
赤身肉に似たくせのない風味で焼肉や炒め物、煮物など様々な料理に用いられます。 - ハツモト (下行大動脈)
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心臓のつけねの動脈で、コリコリとも呼ばれます。
その名のとおり、弾力のあるコリコリした食感が特徴で、煮込み料理、焼肉などに用いられます。 - レバー (肝臓)
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「鉄の宝庫」といわれるほど、レバーには鉄が豊富に含まれています。
赤褐色の柔らかな質感をもち、焼いたり炒めたり、ペースト状でも用いられるなど、あらゆる調理に適した独特の濃厚な味わいが楽しめます。
- ハラミ (横隔膜)
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ハラミは、横隔膜両脇にある筋肉で、濃紅色の肉厚の部位です。
脂肪を多く含んでいるため、柔らかく風味の良いので、串焼きや焼肉の材料として用いられます。 - サガリ (横隔膜)
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サガリは、横隔膜の中心にある太い筋肉の部分です。
ハラミ同様に、柔らかく風味豊かなため、串焼きや焼肉の材料として用いられます。
- マメ (腎臓)
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空豆の形に似ている形状から名前が付けられています。
クセのある臭いですが、表面の皮を取除き、白い筋を丁寧にとることで臭みが気にならなくなります。
用途としては、炒め物や煮込みがありますが、香味野菜と茹で、水にさらしてから調理して下さい。 - ガツ (胃)
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厚さが3~4mmほどで、肌色をした偏平な形状です。
やや硬めですが、煮込んだり焼いたりと様々に調理すれば、独特な風味が楽しめます。
- ショウチョウ (小腸)
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細長くて薄い形状が特徴です。
やや硬めですが、煮込んだりすることで柔らかくて味わい深い風味が楽しめます。
煮込み料理や串焼きにすると美味しく食べられる部位です。
- ダイチョウ (大腸)
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ショウチョウよりもやや太くコシのある歯ごたえが特徴です。
風味や調理法はショウチョウと同様で、よく煮込んだり、炒めたりすれば味わい深い風味が楽しめます。
- モウチョウ (盲腸)
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ショウチョウ、シマチョウと同様に硬めですが煮込めば独特の風味と歯ごたえが楽しめます。
- テッポウ (直腸)
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テッポウは豚の直腸で、開いた形が鉄砲に似ているためこの名前が付けられています。
歯ごたえのある弾力が特徴で、煮込みのほか、焼肉などに用いられます。 - ナンコツ (軟骨)
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ナンコツは硬いので、包丁の根本でたたくように刻みを入れると食べやすくなります。
コリコリした歯ごたえが特徴で、串焼きや焼肉の材料として用いられます。 - ショクドウ, ノドスジ (食道)
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豚の食道にある赤筋部分で、赤身が多く、管を半分に開いて使われます。
赤身肉に近い味なため、焼肉などに用いられます。 - コブクロ (子宮)
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コブクロは肥育期間の短い雌豚のもので、柔らかく、淡泊な味わいで、低脂質、低カロリーが目立つ部位です。
歯切れもよく、煮込み料理や網焼きの材料に適しています。
- ハラアブラ (腎・胃・腸周囲脂肪)
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内臓を覆っている網状の脂でアミアブラとも呼ばれます。
材料を包んで調理する目的で使われ、肉や野菜を包んで、焼いたり、揚げたりします。 - フワ (肺臓)
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食感がフワフワしているためこの名前が付けられています。
煮込み料理などに使用されます。 - ノドナンコツ (気管)
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ナンコツは硬いので、包丁の根本でたたくように刻みを入れると食べやすくなります。
コリコリした歯ごたえが特徴で、串焼きや焼肉の材料として用いられます。 - ミミ (耳)
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ミミは、皮と軟骨が殆どで、肉の部分はあまり無いため、コリコリとした歯ざわりがあります。
薄くスライスし、酢味噌や辛子味噌であえるのが一般的です。 - トンソク (豚足)
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食用には前足を用い、後ろ足はスープなどに使われます。
煮沸した後、調味料や香辛料を加えて調理すれば、ゼラチン質の独特な風味が楽しめます
- タチギモ (脾臓)
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食感は柔らかいですが、鮮度が悪いと独特の臭みが出やすい部位です。
タチギモにはハラアブラがついていて、ハンバーグなどに使用されます。